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法務(契約・印章・議事録・規程)の使い方

契約書の社内レビューから締結・保管まで、印章と収入印紙の統制、議事録と規程の版管理、そして書類の保存期間の追い方。仕事スペースの法務 6 メニューの操作手順です。

法務メニューの構成

仕事スペースの「法務」カテゴリは 6 つのメニューに分かれています。前半 3 つが日々の契約実務、後半 3 つが会社として備えておく書類の管理です。

メニュータブ受け持つこと
契約ドラフト / 商談中 / 締結済 / ガイド契約書を作り、相手方に提示し、締結して台帳に残す
契約書雛型雛型 / ガイド繰り返し使う契約書のテンプレートを整える
印章印鑑 / 押印履歴 / 印紙受払 / ガイド物理的なハンコと収入印紙を台帳で統制する
議事録ドラフト / 正式版 / ガイド株主総会・取締役会などの決議を記録して保管する
規程ドラフト / 正式版 / ガイド就業規則などの社内規程を版で管理する
法令遵守保存期間 / コンプライアンス / ガイド書類の保存期限と法改正への対応状況を横断で追う

各メニューの「ガイド」タブは画面内の説明で、タブ設定から非表示にできます。個人スペースにも「契約一覧」がありますが、こちらは固定費・サブスク・保険を扱う別のメニューです。このページは仕事スペース側のみを説明します。

契約

契約書は ドラフト → 商談中 → 締結済 の順に進みます。タブはこの段階に対応しています。

顧客に出せるのは「提示可能」になってからです

未レビューの契約書が相手方に出てしまわないよう、ドラフトは 4 段階の社内レビュー段階を進みます。

段階どうなったら進むかできること
作成中作成ステッパーが未完了の状態です編集の続き
校正中ステッパーの全ステップを完了すると自動でこの段階です行メニューの「レビューを依頼」
レビュー中「レビューを依頼」を実行した状態です「提示可能にする」「校正に差し戻し」
提示可能レビューが通った状態です「オファーを出す」「校正に差し戻し」

「オファーを出す」は提示可能のときだけ表示されます。 画面から隠れているだけでなく、サーバー側でも提示可能でないオファーの送信は拒否されます。

ドラフトの作成は「ドラフトを作成」から 4 つのステップで進みます(基本情報 → 本文編集 → 送付先 → プレビュー)。校正中以降のドラフトは、行メニューの「PDF をダウンロード」でレビュー用の本文 PDF を取り出せます。

「オファーを出す」で送付先を確定して送信すると、そのドラフトは 商談中 タブへ移ります。送信済みのものは行メニューの「取下げ」で引き戻せます。

締結済の台帳

締結済タブは有効・期限切れ・解除済の契約台帳です(既定では有効な契約だけが表示され、フィルタで広げられます)。

紙で既に締結した契約は「契約書を取り込む」から、PDF と取引情報(タイトル・種別・相手方・取引金額・締結日・有効期限)をまとめて登録します。登録した契約は有効な契約として台帳に並びます。

PDF を選ぶと注意が表示されます。取り込んだ PDF は内容把握・管理用です。電子帳簿保存法のスキャナ保存の要件を満たす運用でない限り、紙の原本は破棄せず保管してください。

契約の詳細画面

契約名をクリックすると詳細が開き、3 つのタブに分かれています。

  • 基本情報: 契約情報・取引金額・メモ。取引金額はスキャナ保存の検索要件になるため、金額のある契約では入力してください
  • 契約書: 契約書 PDF の登録・ダウンロード・差し替えとプレビュー
  • 署名: 相手方への確認依頼(下記)

有効期限が入っている契約は、⋮ メニューの「保存ラベルを印刷」からラベルを出せます。

「署名」タブは電子署名ではなく確認の記録です

取り込んだ契約書について、相手方に「電子化した文書が原本と相違ないこと」を確認してもらう機能です。電子署名(契約の締結)ではなく、双方の確認の記録であり、証拠力を上積みするためのものです。

「確認依頼を送る」で相手方の氏名・メールアドレス・任意のメッセージを入力すると、相手方はメールのリンクからログインせずに内容を確認・同意できます。依頼は 依頼中 / 閲覧済み / 確認済み / 期限切れ / 取消済み の状態を持ち、同意した相手方の氏名・日時・IP アドレスが証跡として残ります。確認依頼は契約書 PDF を登録してからでないと送れません。

契約書雛型

「雛型を追加」から 3 つのステップ(基本情報 → 本文編集 → プレビュー)で作ります。本文編集の画面には A4 の紙面プレビューが並び、STEP 3 で全体を確認します。

変数は本文が持ち主です

本文に {{変数名}} と書くと、変数表にその行が自動で現れます。表から行を足したり消したりはしません —— 本文に書けば増え、本文から消せば減ります。日本語のキー({{会社名}} など)も使えます。

各変数には 2 つの属性を付けられます。

属性役割
日本語名一覧やプレビューでの表示名です。差し込みは変数名(キー)で行われます
サンプル値プレビュー専用です。契約ドラフトを作るときの初期値にはなりません

サンプル値をプレビュー専用にしているのは、例として入れた値がそのまま実際の契約書に紛れ込む事故を防ぐためです。

⋮ メニューの「典型的な雛形を一括追加」で、よく使う 7 種(雇用契約書〔正社員用 / 契約社員用〕・取引基本契約書・業務委託契約書・秘密保持契約書〔NDA〕・賃貸借契約書・顧問契約書)をまとめて登録できます。同じ名前の雛型は作られないので、何度実行しても重複しません。一覧で「作成中」バッジが付いている雛型は、作成ステッパーが途中の状態です。

印章

niyase の契約締結は電子署名がネイティブでハンコは原則不要ですが、相手の慣行や登記など物理的な印鑑が残る場面はなくなりません。印章メニューはその残りを台帳で統制下に置きます。電子で締結した契約はハンコを押さないため、押印記録は不要です。

印鑑タブ

代表印(実印)・銀行印・角印・契約印・その他を登録し、保管場所と管理担当者を明確にします。印鑑証明書は PDF ごと登録でき、有効期限が近づく(30 日以内)と一覧と詳細に警告のバッジが出ます。

使わなくなった印鑑は「廃止する」で廃止済みにします。押印履歴と証明書は残りますが、廃止した印鑑では新しい押印履歴を作れなくなります

押印履歴タブ

どの印鑑を・いつ・何の目的で・どの書類に押したかを、申請者と承認者を分けて記録します。一人で押印を完結させない権限分離の証跡になり、代表印の不正使用や職権濫用の抑止・検知に役立ちます。対象の契約を紐づけることもできます(必須ではありません)。

押印履歴は監査証跡なので登録済みの値を書き換える操作はありません。誤記録は削除で訂正しますが、削除しても記録は内部的に保持されます。

印紙受払タブ

収入印紙の 購入 / 使用 / 棚卸調整 を受払簿として記録し、各行にその時点の残高が出ます。額面をクリックすると在庫状況が開き、残りわずかな額面や最終棚卸からの経過(1 年を超えると促されます)を確認できます。同じ画面の「要否マスタ」では、書類種別と契約金額帯ごとの必要印紙額(国税庁「印紙税額の一覧表」準拠)を参照できます。

電子契約は課税文書ではないため印紙税はかかりません。

議事録

株主総会・取締役会・監査役会の決議を記録します。状態は 下書き中 → レビュー済み → 正式版 の 3 つです。

「ドラフトを作成」から 4 つのステップ(基本情報 → 出席者 → 議題・決議 → 確認)で作成します。会議種別は 定時株主総会 / 臨時株主総会 / 取締役会 / 監査役会 から選び、決議事項の種別(定款変更・役員選任・増資など)も付けられます。押印済み PDF やスキャン画像は「確認」ステップで添付します。

昇格は 2 段階です。行メニューの「レビュー済みにする」でレビュー済みにし、そのうえで「正式版に昇格」を実行します。

正式版は編集できません。 本文の書き換えも、添付ファイルの追加・削除もできず、ダウンロードのみになります。直す必要があるときは「下書きに戻す」でレビュー済みに戻してから編集します。

PDF は 2 種類あります。相手に渡す「PDF(正式版)」と、保存期限の QR を刻印した「社内保管用 PDF(QR 刻印)」です。QR を読むと保存期間の台帳の該当行が開きます。議事録の保存期間は 10 年です(会社法 318 条・371 条・394 条)。

規程

就業規則・賃金規程などの社内規程を、版(バージョン)で管理します。一覧の 1 行が 1 つの版なので、就業規則 v1 と v2 は別の行として並びます。列は 規程名 / 種別 / 版 / 適用開始日 / 届出 / 計算適用 です。

就業規則の値がそのまま給与計算の変数になります

「規程を作成」から 3 つのステップ(規程の種類 → テンプレート → 値の入力)で作ると、勤務時間・休日・賃金の条項が構造化パラメータとして版に保存され、給与・勤怠・36 協定の計算はこの値で駆動されます。 規程の文書と計算設定を別々に持たないので、両者が食い違いません。

残業代は「式と下限が法律(労働基準法 37 条・労基則 19 条)、式に代入する変数が就業規則」という構造です。niyase はその変数側を規程に持たせています。

  • 勤務時間・休日: 始業・終業・休憩と週休・法定休日・祝日の扱いから、月平均所定労働時間(割増単価の分母)を自動導出します
  • 法定休日の特定: 35% 割増の対象となる曜日を規程で定めます
  • 割増率・欠勤控除方式・締め日 / 支払日: 給与の計算はこの値から適用されます。法定下限を下回る割増率は保存できません
  • 遡及再計算: 給与は支給対象月に効力があった版のパラメータで計算されます(改定しても過去月は当時の規則のままです)

給与・勤怠側の操作は労務(給与・勤怠)の使い方を参照してください。就業規則が未設定のときは一覧に警告が出て、給与・勤怠・36 協定は標準の仮定(労働基準法の原則)で計算されます。

版のライフサイクル

作成直後は草案で、計算には適用されません。適用開始日を決めて効力中に切り替えると、その日以降の月から計算に反映されます。効力中の版は編集できず、変更は「改定(新版を作成)」で新しい草案を起こして行います(パラメータは直前の版を引き継ぎます)。差し替えられた版は旧版になります。

規程の詳細画面は 本文 / パラメータ / 届出 / 周知記録 の 4 タブです。

  • パラメータ: 「パラメータを編集」で値を直します。保存時に「テンプレートから本文を再生成して上書きする」を選べます(本文への手編集は失われますが、計算は常にパラメータが正です)
  • 届出: 労働基準監督署への届出記録(対象の版・届出日・受理番号・状態)を残します。就業規則の制定・変更時は労働者代表の意見書を添えて届け出ます(労働基準法 89 条・90 条)
  • 周知記録: 規程は労働者への周知が効力要件です(労働契約法 7 条)。版ごとに従業員に求めるアクションを 確認 / 不利益同意 / 確認不要 から選び、効力化後に本人がマイページから確認・同意します。不利益変更のときは「不利益同意」を選びます

⋮ メニューの「標準規程セットを作成」で、標準的な規程を草案としてまとめて作成できます(作成済みの種別はスキップされます)。

法令遵守

保存期間タブ

法定の保存年数を満了した書類を、契約・議事録・規程の旧版・請求書にまたがって一覧する廃棄台帳です。

目的は「証明」ではなく「説明」です。法が求めているのは、適当な人間の判断で書類を破棄していないと説明できることであり、保存期間が満了した書類を破棄すること自体は義務ではありません(保存期間は最低保存年数です)。そのため機能の中心は記録で、書類そのものの削除は任意です。

  • 表示範囲 を 満了のみ(既定)/ 1 年以内 / 3 年以内 / すべて から選んで、期限前の書類も確認できます
  • 行メニューの「廃棄を記録」「保留にする」で判断を台帳に残します。廃棄には方法(電子 / 紙 / 電子+紙)と理由を添えられます
  • 既定では書類は消えません。 廃棄の記録時に「関連書類を niyase からも削除する」にチェックしたときだけ電子データが削除されます(削除しても台帳の記録は残ります)
  • 間違えたときは「記録を取り消す」で台帳の記録を取り消せます(削除した書類は戻りません)

保存ラベルを印刷」を選ぶと、書類の背表紙やファイルに貼るラベルを印刷できます。ラベルには書類種別・タイトル・相手方・起算日・法定保存期限・廃棄推奨日・文書 ID と、台帳の該当行へ戻る QR コードが入ります。ラベルには「作成時点の法令・社内規程に基づく目安です。廃棄前に係争・継続取引の有無を確認してください」という但し書きが併記されます。

コンプライアンスタブ

施行が近づく法改正イベント(インボイス制度・電子帳簿保存法・フリーランス新法・改正個人情報保護法など)を一覧で追い、対応をステップ式のアセスメントで記録します。イベントの一覧は niyase 側で整備しているもので、内容の編集はできません。

行を開くとその法改正のアセスメントが始まります。ステップの内容は法改正ごとに異なり、各ステップにチェック項目があり、証跡書類のアップロードを求めるステップもあります。すべてのステップを完了すると、状態が 未対応 → 対応中 → 対応済み と進みます。自社に関係のない法改正は「対象外にする」で一覧から外せます(「対象外を含める」で再表示できます)。施行日が近づいたイベントはホームのスケジュールにも出ます。

書類の保存期間

書類保存期間起算日根拠
契約書7 年(青色申告法人は 10 年)契約終了日法人税法施行規則
雇用契約書退職後 5 年退職日労働基準法 109 条
株主総会 / 取締役会 / 監査役会議事録10 年開催日会社法 318 条 / 371 条 / 394 条
規程の旧版効力消滅後 3 年効力消滅日労働基準法 109 条
請求書7 年発行日法人税法施行規則

効力中の規程には保存期限が立ちません(まだ廃止されていないためです)。保存期間タブが追うのは、差し替え済みの旧版だけです。

ここに挙げたのは一般的な整理です。個別の税務署対応や電子帳簿保存法の要件充足、規程の合理性の判断は、顧問税理士・社会保険労務士・弁護士にご確認ください。