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機能ガイド·

製造・調達(発注・原価・生産)の使い方

発注・原価管理・生産管理・予実管理の 4 メニューの使い方。品目と工順の登録から、生産計画・所要量計算・製造指図・実績の記録、実際原価の締めと製造原価報告書、原価差異の振り返りまでを一連の流れで説明します。

はじめに: これらは既定で非表示のメニューです

発注(調達)と、原価管理・生産管理・予実管理(製造)は 条件付きコア です。工場を持つ製造業など、使う業種のスペースだけが有効化する前提の機能なので、既定では非表示になっています。

メニューが見つからないときは、まずここを疑ってください。 アカウント設定で業種を選ぶとサイドバーに表示されます。この扱いは機能一覧にも記載しています。以降は、4 つのメニューが表示されている状態を前提に説明します。

メニューとタブ

メニュータブ内容
発注発注発注の一覧・登録・編集・入庫
原価管理品目品目マスタの一覧・追加(標準原価は部品表から積み上げ)
原価管理工順工順・工程・作業区の登録と、工順からの標準原価
原価管理実際原価原価対象の一覧・作成と、月末締め
原価管理配賦製造間接費の配賦ルールと配賦の実行
原価管理製造原価報告書期間を選んで当期製品製造原価を確認
生産管理生産計画製品 × 週の基準生産計画(MPS)を編集
生産管理資材所要量MRP の計画手配・能力負荷(CRP)・計画オーダー
生産管理スケジュール作業区の能力を制約にした山積み・差立
生産管理製造指図製造指図の一覧・作成・編集・削除
生産管理進捗・実績進捗の確認と、完成数量・ステータスの記録
予実管理原価差異標準と実際の差異(参照のみ)
予実管理採算分析製品別の標準・実際・単価の対比(参照のみ)

どのメニューにも「ガイド」タブがあり、画面内で用語と流れを確認できます。タブ設定から非表示にできます。

全体の流れ

製造・調達は、次の順に一本の線でつながっています。

  1. 品目と部品表(BOM)を登録する — 何を作るか、何からできているか
  2. 工順を登録する — どの工程で、何分かけて作るか
  3. 生産計画(MPS)を立てる — いつ・何を・いくつ作るか
  4. 資材所要量(MRP)で必要量を出す — 在庫を差し引いた正味の必要量と手配時期
  5. 発注・製造指図を出す — 買うもの(BUY)は発注へ、作るもの(MAKE)は製造指図へ
  6. 実績を入れる — 入庫、完成数量、実際工数
  7. 実際原価を締め、配賦する — 完成品原価と月末仕掛品を確定
  8. 製造原価報告書で当期製品製造原価を見る
  9. 原価差異で振り返る — 標準とのズレを費目別に分解

前の段が空のままでも後ろの段は開けますが、元になるデータが無ければ空の表示になります。

品目と部品表(BOM)

原価管理の「品目」タブが出発点です。「品目を追加」で、コード・品目名・種別(原材料 / 部品 / 半製品 / 製品 / 購入品)・単位・標準原価の内訳(材料費・労務費・製造間接費)を登録します。「構成を持つ」にチェックを入れると、その品目は部品表の親になります。一覧の標準原価は、部品表を再帰的に展開して積み上げた値で、品目に直接入れた金額そのものではありません。検索は品目名・コードに一致し、種別で絞り込めます。

品目名をクリックすると詳細ページが開き、4 つのタブがあります。

タブ内容
基本情報コード・品目名・種別・単位と、標準原価の内訳を編集
標準原価部品表を展開した材料費・労務費・製造間接費・合計(参照のみ)
構成直下の子品目の追加・編集・削除
使用先この品目を使っている親品目の逆引き(参照のみ)

構成タブの「子品目を追加」では、**子品目・員数・ロス率(%)**を入力します。員数は製品 1 単位に必要な数量、ロス率は投入のうちロスになる割合で、必要量はロス分を見込んで増えます。一覧には子品目ごとの標準単価と寄与額が並びます。表示されるのは直下の 1 階層だけなので、多階層をたどるときは子品目名をクリックしてその品目の構成タブへ移動します。構成に循環参照があるとその旨が表示されます。

工順と作業区

工順は「その品目をどう作るか」で、標準労務費と標準製造間接費の元になります。原価管理の「工順」タブは左が工順の一覧、右がその工程です。

  1. 「工順を追加」で工順コード・工順名・産出品目を登録します(産出品目は作成後に変更できません)
  2. 左の一覧で工順を選び、「工程を追加」で工順番号・工程名・作業区・加工時間(分・単位)・賃率(円/時)・製造間接費率(円/時)を登録します

作業区は「作業区マスタ」から登録します(コード・名称・賃率・間接費率・能力(分/日))。工程の賃率・間接費率を空欄にすると、作業区の既定値を継承し、一覧に「継承」と表示されます。工程を登録すると「工順からの標準原価」に標準労務費と標準製造間接費が出ます(加工時間 × 賃率 / 間接費率の単位あたり積み上げ。段取時間は単位原価に含めません)。「品目の標準原価に反映」を押すと、品目の標準労務費・標準製造間接費を更新します(材料費は据え置きです)。

生産計画(MPS)

生産管理の「生産計画」タブは、製品 × 週の表を直接編集します。セルに数量を入れて枠から離れると保存されます。

各セルには過去の出荷実績から需要予測した推奨値が並び、クリックするとその値を採用できます。「推奨を一括採用」ですべてのセルにまとめて反映することもできます。計画対象になるのは品目の種別が「製品」の品目だけなので、表が空のときは、まず原価管理の品目タブで製品を登録してください。

資材所要量(MRP)

「資材所要量」タブは、生産計画を部品表で展開し、リードタイム・在庫・確定済みオーダーで差し引いた週次の計画手配を出します。品目には内製(MAKE)か購買(BUY)の区分が付きます。

  1. 計画手配の数量の下にある「確定」を押すと、計画オーダーになります
  2. 計画オーダーの一覧で「発行」を押すと、内製なら製造指図、購買なら発注に変換されます

同じタブに 能力負荷(CRP) の表があり、作業区 × 週の稼働率を示します。過負荷の週は赤で表示されます。これは無限能力の見積りで、自動では均されません。均すのは次のスケジュールタブです。

発注する・入庫する

「発注」メニューの「新規発注」で登録します。入力するのは仕入先・品目・発注数量・発注単価・発注日・納入予定日・備考です。

  • 仕入先は取引先から選ぶか、「仕入先名(手入力)」に直接書くかのどちらでもかまいません
  • 品目は調達区分が購入の品目だけが選べます。品目を選ぶと発注単価に標準単価が入ります(空欄のときだけ)
  • 発注番号は PO-0001 の形で自動採番されます
  • MRP から発行した発注もここに並びます。仕入先は空のまま作られるので、あとから編集して補います

一覧の列は発注番号・仕入先・品目・発注数・入庫済・発注残・単価・納入予定・状態です。状態は「発注残あり」「入庫済」「取消」の 3 つ。検索は発注番号・仕入先名・品目名・品目コードに一致し、状態での絞り込みもできます。行を選択して一括操作から削除できます。

納品されたら、状態が「発注残あり」の行の ⋮ メニューから 「入庫する」 を選び、受入数量(発注残が初期値です)と入庫日を入れます。

  • 在庫の受払(入庫)が 1 件立ち、在庫が増えます
  • 発注残がその分減り、全量を入庫すると状態が「入庫済」に変わります
  • 在庫受払の計上を通じて買掛金が起票されます。支払の消込は経理側です

スケジュール

「スケジュール」タブは、確定した製造指図を工順で展開し、作業区の能力を制約に山崩しして実行可能なスケジュールを作ります。「週次(山積み)」と「日次(差立)」を切り替えて使います。

計画週数・ディスパッチ規則(EDD / SPT / FIFO)・方向(FORWARD / BACKWARD)を選ぶと、その場で計算し直します。結果には「実行可能」か「能力不足」か、納期遅れの件数、作業区 × 週の稼働率、工程ごとの割付が並びます。

週次では、プランナーの意図を文章で書いて 「AI で調整」 を押すと割付案を作ります。案は検算され、能力や先行関係の違反があれば修復されてから表示されます。「決定的に戻す」でいつでも元に戻せます。「保存」で残したスケジュールは一覧に積まれ、そのうち 1 つを 現行 にできます。現行にしたスケジュールが、進捗・実績タブの「計画 vs 実績」の計画側になります。

製造指図と実績

「製造指図」タブでは、指図番号・名称・産出品目・計画数量・完成数量・期間・ステータスを持つ製造指図を作成・編集・削除できます。ステータスは「進行中」「完成」「締め」です。

「進捗・実績」タブは記録が中心です。行の ⋮ メニューから 「実績を記録」 を選ぶと完成数量とステータスを更新でき、「完成にする」 でステータスだけを変えられます(複数選択して一括でも可)。進捗は完成数量 ÷ 計画数量のバーで表示されます。現行スケジュールがあるときは、上部に計画 vs 実績の対比が出ます。

製造指図には詳細ページもあり、次のことができます。

  • 所要量: 計画数量を多階層の部品表で展開し、引当可能在庫(在庫 − 他指図の引当)を差し引いた正味所要量を表示します。行ごとに在庫を引当して、この指図に確保できます
  • 部品構成: 産出品目の直下の構成(員数・ロス率)を参照します。構成の編集は原価管理の品目タブで行います
  • 製造実績を計上: 完成数量(と任意で実際工数・実際労務費)を入れると、部品表の標準消費で材料を在庫から払い出し、実際原価を計上し、完成品を入庫します。実際工数を入れておくと、予実管理で賃率差異と能率差異に分解されます

実際原価を集計して締める

原価管理の「実際原価」タブは 原価対象(原価を集める入れ物)の一覧です。「原価対象を作成」でコード・名称・期間・産出品目・前工程・工程順序・原価計算方法(平均法 / 先入先出法)を登録します。状態は「集計中」「完成」「締め済」です。名称をクリックすると作業画面が開き、左で原価明細(費目・発生日・金額)を積み上げます。費目は材料費・労務費・経費・製造間接費の 4 つです。

右は月末締めです。材料費と加工費は明細から自動集計されるので、入力するのは次の 3 つだけです。

項目内容
完成数量その期に完成した数量
月末仕掛数量期末に残った作りかけの数量
加工進捗度仕掛品の加工の進み具合(0〜1)

入力すると確定前のプレビューとして完成品総合原価・完成品単位原価・月末仕掛品原価がその場で計算されます。内容を確認して「月末締めを確定」を押します。締めたあとに直したいときは「締めを取り消して再集計」で戻せます。

同じ産出品目で前の期が締め済みなら月初仕掛(前期繰越)が自動で引き継がれ、前工程を指定していれば前工程の完成品原価が前工程費として当月投入に乗ります。

配賦

「配賦」タブでは、製造間接費のプールを原価対象へ按分するルールを作ります。ルール名・プールのラベル・配賦基準(直接作業時間 / 機械時間 / 数量 / 金額)・有効かどうかを設定します。行の「配賦」を押すと実行ダイアログが開き、対象期間(YYYY-MM)と、必要ならプール額を入れます。プール額を空欄にすると既存の間接費を再配賦します。実行すると、原価対象ごとの基準量・割合・配賦額が一覧で確認できます。

製造原価報告書

「製造原価報告書」タブで期間を選ぶと、当期の集計が表示されます。

内容
I. 材料費当期の原価明細を費目別に集計
II. 労務費同上
III. 経費同上(外注費があるときは内訳を表示)
当期総製造費用上 3 つの合計
期首・期末仕掛品棚卸高締め済みの原価対象にだけ計上されます
当期製品製造原価会計の売上原価へつながる金額

対象期間に原価対象が無いときは空の表示になります。まず実際原価タブで原価対象を作り、原価明細を積み上げてください。

原価差異で振り返る

予実管理は 参照専用のメニュー です。**このメニューに登録・編集・削除の操作はありません。**専用のデータを持たず、原価管理と生産管理が作ったデータを期間で集計して見せるだけなので、片方が未整備でも安全に開けます(データが無ければ空の表示です)。

原価差異タブは、期間を選ぶと原価対象ごとに材料費差異・労務費差異・製造間接費差異・総差異を並べます。差異 = 実際 − 標準で、**+ は不利差異(標準超過)、△ は有利差異(標準内)**です。標準は品目の標準原価を部品表・工順で積み上げた値、実際は原価明細の集計です。

行をクリックすると内訳のダイアログが開き、材料費が品目別に価格差異 =(実際単価 − 標準単価)× 実際数量数量差異 =(実際数量 − 標準数量)× 標準単価へ分解されます。製造実績の計上時に実際工数を入れていれば、労務費も賃率差異と能率差異に分かれます。入れていない場合は総差異だけが表示されます。

採算分析タブは、製品(産出品目)別に完成数量・標準原価・実際原価・差異・標準単価・実際単価を対比します。

会計・棚卸資産との境界

  • 会計: 確定した製造原価は売上原価として損益計算書につながります。期末の仕掛品・製品・原材料の振替は決算で扱います。帳簿側の操作は会計(仕訳帳・元帳)の使い方を参照してください
  • 棚卸資産: 品目マスタは棚卸資産メニューと共有です。入庫・払出で動いた在庫数量と、実地棚卸・評価方法の設定は資産(固定資産・棚卸・償却資産税)の使い方にまとめてあります
  • 買掛金: 入庫で起票された買掛金の支払消込は経理の担当です