資産(固定資産・棚卸・償却資産税)の使い方
少額資産・固定資産・無形固定資産・リース・棚卸・償却資産税の 6 メニューの使い方。台帳への登録から減価償却の計上、確定済み年度の扱いまで。
資産メニューの構成
仕事スペースの「資産」には、資産の種類ごとに 6 つのメニューが並んでいます。それぞれが独立した台帳で、必要な仕訳を自分で作って会計へ渡します。
| メニュー | タブ | 役割 |
|---|---|---|
| 少額資産 | 少額資産 / ガイド | 取得価額が小さい資産の記録と、中小特例の年間枠の管理 |
| 固定資産 | 資産台帳 / 減価償却 / ガイド | 有形固定資産の台帳と、年度ごとの減価償却の計上 |
| 無形固定資産 | 台帳 / 償却 / ガイド | ソフトウェア・特許権・のれん等の台帳と償却 |
| リース資産 | 台帳・月次処理 / ガイド | リース契約の登録と区分(オペレーティング / ファイナンス) |
| 棚卸資産 | 棚卸記録 / 商品マスタ / ガイド | 商品マスタの整備と、実地棚卸の記録 |
| 償却資産税 | 集計・申告 / ガイド | 固定資産台帳から評価額を集計する(申告用) |
各メニューの「ガイド」タブに、その画面の考え方と操作の要点がまとまっています。タブバーの設定から、使わないタブは隠せます。
減価償却はこのカテゴリで計上します
償却の仕訳を作るのは資産メニュー、受け取るのは会計 です。会計メニューに固定資産のタブはありません。計上の場所を 1 か所に決めることで、同じ償却を二重に計上する事故を防いでいます。
- 償却・除却・売却・減損の仕訳は、それぞれの資産メニューから計上します
- 計上した仕訳は、会計の仕訳帳と総勘定元帳にそのまま現れます
- 確定済み(決算が締まった)会計年度には計上できません
少額資産
取得価額によって税務上の扱いが分かれます。この区分は法令で決まっています。
| 取得価額 | 区分 | 処理 |
|---|---|---|
| 10 万円未満 | 10万円未満一括費用 | 全額をその期の費用にする |
| 10 万円以上 20 万円未満 | 一括償却資産(3年均等) | 3 年で均等に償却する |
| 20 万円以上 30 万円未満 | 中小特例(30万円未満) | 全額を損金にする(年間 300 万円まで) |
| 30 万円以上 | — | 固定資産メニューの台帳に登録します |
登録のしかた
- 「少額資産を追加」を押します
- 名称・取得日・取得価額を入力します
- 取得価額を入れると推奨区分が表示されます。区分の選択肢は、その金額で選べるものだけに絞られます
- 該当する区分がない場合(30 万円以上、または中小特例の対象外)は、固定資産台帳で管理するよう案内が出て、登録できません
一覧はキーワード検索と、フィルタ(会計年度・区分)で絞り込めます。一括操作メニューの「今期のサマリを表示」を開くと、区分ごとの合計と、中小特例の年間 300 万円枠の消化率をメーターで確認できます。
固定資産
資産を登録する
資産台帳タブの「資産登録」から、資産番号・資産名・勘定科目・取得日・取得価額・耐用年数・償却方法(定額法 / 定率法)・残存価額(既定は備忘価額の 1 円)・備考を入力します。
一覧は資産番号と資産名で検索でき、フィルタでステータス(使用中 / 除却済 / 売却済)と償却方法を絞り込めます。
資産の詳細を見る
資産番号をクリックすると詳細ページが開きます。上部に帳簿価額・取得日・償却累計が並び、2 つのタブがあります。
- 償却スケジュール: 取得から償却完了までの各年度の期首帳簿価額・償却額・期末帳簿価額を、経過 / 当期 / 予定の区分つきで表示します。これは登録内容から計算した見通しで、実際の計上は減価償却タブで行います
- 資産詳細: 算定の基礎(取得価額・耐用年数・償却方法・残存価額・勘定科目・取得日)の確認と、評価根拠・メモの記入。中古取得で見積耐用年数を使った理由や参照した資料など、後から根拠を説明できるようにしておく欄です
減価償却を計上する
減価償却タブは 1 行が 1 会計年度です。年度をクリックすると、その年度の詳細ページが開きます。状態は 4 つです。
| 状態 | 意味 |
|---|---|
| 償却額を編集中 | まだ仕訳を作っていない |
| 仕訳ドラフト | 下書きの仕訳を作った(破棄できる) |
| 計上済 | 総勘定元帳に反映されている |
| 確定 | 計上済みで、会計年度も確定した(閲覧のみ) |
詳細ページの「明細」タブに、資産ごとの期首帳簿価額・償却限度額・当期償却額・期末帳簿価額が並びます。「仕訳」タブでは、実際に作られる仕訳(借方 減価償却費 / 貸方 減価償却累計額 = 間接法)を計上前に確認できます。
操作は上部のボタンで進みます。仕訳ドラフトにする → 計上する。計上した後も、会計年度が確定していなければ 再計上(洗替) で計算し直せます。
法人と個人事業主で操作が変わります
- 法人(任意償却): 各資産の当期償却額を、償却限度額以下の範囲で 1 件ずつ調整できます。限度額を超える値は入力できません
- 個人事業主(強制償却): 限度額をそのまま計上します。金額の欄は編集できません
この違いは、スペースに登録した事業形態から自動的に切り替わります。画面で選ぶ必要はありません。
除却・売却・減損
行メニューの「処分(除却・売却・減損)」から、区分と処分日を指定して仕訳を計上します。
| 区分 | 何が起きるか |
|---|---|
| 除却 | 残っている帳簿価額を固定資産除却損に計上します |
| 売却 | 売却収入を入力し、帳簿価額との差額を売却損益に計上します |
| 減損 | 回収可能価額まで簿価を切り下げ、差額を減損損失に計上します(資産は台帳に残ります) |
確定済みの会計年度には、処分も計上できません。
無形固定資産
ソフトウェア(自社利用 / 市場販売)・特許権・商標権・意匠権・著作権・のれん・その他を、台帳タブで管理します。「無形固定資産を追加」から資産番号・種別・名称・取得日・取得価額・耐用年数を登録し、種別とステータス(使用中 / 除却 / 減損)で絞り込めます。
償却の考え方が有形と違います。無形固定資産は定額法で残存価額ゼロまで償却し、資産そのものを直接減額します(有形のように減価償却累計額を使う間接法ではありません)。
償却タブでは、一括操作メニューの「償却を計上…」を開き、対象年度を選んでから計上します(一覧を眺めている年度とは別に指定できます)。ダイアログで資産ごとの期首簿価・償却額と合計を確認してから計上でき、同じ年度でもう一度実行すると洗い替えになります。確定済みの年度を選ぶと、計上できない旨が表示されます。
行メニューの「償却スケジュールを表示」で、資産 1 件の全期間の見通しを確認できます。
リース資産
リース契約を登録し、区分ごとの扱いを管理します。日本基準に沿った 2 区分です。
- オペレーティング・リース: 賃借料として費用処理し、貸借対照表には計上しません(既定)
- ファイナンス・リース: リース資産・リース債務として貸借対照表に計上します。所有権移転条件・解約不能・経済的耐用年数の 75% 以上などに当てはまる場合が該当します
「リース契約を追加」から、リース番号・種別・名称・賃貸人・開始日・終了日・期間(月)・月額を入力します。ファイナンスを選んだときだけ、**現在価値(取得相当額)と利率(年 %)**の入力欄が追加されます。一覧には契約中 / 満了 / 解約の状態が表示されます。リース番号・資産名・リース会社の検索、種別・ステータスでの絞り込み、ページ送りができ、行メニューまたは選択して一括操作から削除できます(固定資産と同じ操作系です)。
棚卸資産
商品マスタ
棚卸の対象になる商品を登録します。品目コード・名称・単位・評価方法・標準単価に加えて、リードタイムと安全在庫を持たせられます。評価方法は移動平均法・総平均法・先入先出法・後入先出法・個別法・売価還元法・最終仕入原価法から選びます(後入先出法は会計上のみで、税法では採用できません)。一覧は検索に加えて評価方法で絞り込めます。
棚卸記録
「棚卸を作成」で棚卸日と対象を決め、作成した棚卸を開いて商品ごとに帳簿数量・実地数量・単価を入力します。差異額は自動で計算され、一覧には帳簿総額・実地総額・減耗損が並びます。入力が終わったら「完了にする」で確定します(複数を選んでまとめて完了にもできます)。一覧は検索に加えてステータス(下書き / 進行中 / 完了)で絞り込めます。
確定した実地棚卸の結果をもとに、期末棚卸高から売上原価を確定する振替は会計の決算整理で行います。棚卸メニューは、数量と金額の事実を確定させる役割です。
償却資産税
このメニューには入力しません。固定資産台帳から自動で集計される、読むだけの画面です。
賦課期日(1 月 1 日)の年を選ぶと、その時点の評価額が計算されます。
- 上部に評価額合計・課税標準額・税額が並びます。課税標準額が免税点(150 万円)未満のときは、税額の代わりに「非課税(免税点未満)」と表示されます
- 下の表に、資産ごとの取得日・取得価額・耐用年数・減価率・評価額が並びます
- 評価額は会計の減価償却とは別の計算です。取得した年の翌年から評価の対象になります
税額は市区町村が賦課決定するもので、この画面の金額は目安です。申告の前に、顧問税理士または市区町村にご確認ください。